リスティング広告とは?仕組みや運用・活用方法まで初心者向けに解説
リスティング広告とは?
リスティング広告は「Web広告」の一種です。
Web広告とは、インターネット上のメディア(媒体)やSNSなどに掲載する広告のことです。電通が毎年発表する「日本の広告費」では、2020年にインターネット広告費がマスコミ4媒体広告費(新聞・雑誌・ラジオ・テレビの合計)を上回り、2023年には3兆3,000億円超に達しています。
<株式会社電通「2023年 日本の広告費」より抜粋>
1.マスコミ4媒体広告費 | 2兆3,161億円 |
①新聞広告費 | 3,512億円 |
②雑誌広告費 | 1,163億円 |
③ラジオ広告費 | 1,139億円 |
④テレビメディア広告費 | 1兆7,347億円 |
2.インターネット広告費 | 3兆3,330億円 |
3.プロモーションメディア広告費 | 1兆6,676億円 |
広報PRは、マスメディアに情報を届けてニュースとして取り上げられるように働きかけたり、SNSやオウンドメディアを介して情報発信したりして認知を高める手法ですが、売上拡大に至るまでには時間がかかります。効率的に売上を上げたい場合は、広報PRと併せて、Web(インターネット)広告も活用することをお勧めします。
Web(インターネット)広告には、リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告、動画広告など、様々な種類がありますが、中でも「リスティング広告」は、比較的とっつきやすい広告と言えるでしょう。
この記事では、リスティング広告の基礎知識から効果的な運用・活用方法までを分かりやすく解説していますので、ぜひ、最後までお読みください。
リスティング広告とは?仕組みと種類
「リスティング広告で売上アップを目指しているけど、何から始めたらいいのかわからない」
このような方は多いと思います。
リスティング広告は、ホームページへの集客やコンバージョン目的としたとき、インターネット上にある各種広告手法の中でも非常に優れた広告手法であり、かつ、初心者の方でも始めやすいというメリットがあります。
リスティング広告は、検査エンジンユーザーが検索したキーワードに関連性の高い広告を、検索結果の上位や関連性の高いサイトに表示する広告形式です。
本来、リスティング広告とは、検索連動型広告とディスプレイ広告(コンテンツ連動型広告)のことを指します。
しかし、一般的には検索連動型広告のことを意味していることが少なくありません。この記事では検索連動型広告の意味でリスティング広告の文言を使用しますのでご了承ください。
下記の図は、Googleで「PR」というキーワードを使い検索したときのものです。「スポンサー」という文字の箇所がリスティング広告になります。
リスティング広告は、ユーザーがまさに必要としている情報を求めている瞬間に、あなたの商品やサービスをアピールできるため、前述したように、インターネットを利用した広告の中でも非常に効果的なマーケティング手法と言えます。
検索連動型広告の仕組み
繰り返しになりますが、検索連動型広告は、ユーザーが検索エンジン(Google、Yahoo!など)にキーワードを入力し検索した際に、そのキーワードに関連する広告が表示される仕組みです。
広告主は事前にキーワードを設定し、そのキーワードで検索された際に広告が表示されるように設定します。ユーザーが広告をクリックすると、広告主のウェブサイトにアクセスし、コンバージョン(例:商品購入、資料請求)へと導くことが期待されます。
広告の表示順位は、キーワードの関連性、入札価格、広告の品質スコアなどによって決定されます。つまり、より関連性の高いキーワードを選び、魅力的な広告を作成し、適切な入札価格を設定することで、上位表示を目指せることになります。
主要なリスティング広告プラットフォーム(Google広告、Yahoo!広告)
日本においてリスティング広告を運用する際には、Google、Yahoo!いった検索エンジンプラットフォームを利用することになります。
リスティング広告を運用する際のGoogleとYahoo!の違いが分からないという方も多いと思いますので、簡単ではありますが次にその違いをご紹介します。
-
- 世界最大の検索エンジン
Googleは世界中で最も利用されている検索エンジンです。そのため、世界規模での広告展開が可能です。 - 多様なターゲティング
年齢、性別、興味関心、検索履歴など、様々な情報を基に細かくターゲティングできるため、効果的な広告配信が可能です。 - 高度な機能
広告拡張機能や自動入札など、高度な機能が充実しており、より効率的な広告運用ができます。 - 競合が多い
世界的に利用されているため、競合が多く、クリック単価が高くなる傾向があります。
- 世界最大の検索エンジン
Yahoo
- 日本最大級の検索エンジン
Yahoo!は、日本国内で高いシェアを持つ検索エンジンです。日本市場に特化した広告展開に強いです。 - 中高年層へのアプローチ
Yahoo!は、中高年層の利用が多い傾向があるため、この層へのアプローチに効果的です。 - シンプルで使いやすい
操作画面がシンプルで、初心者でも比較的簡単に運用を開始できます。 - 競合が少なく、クリック単価が安い
Googleに比べて競合が少なく、クリック単価が安い傾向にあります
一覧表にすると下記のようになります
特徴 | Google広告 | Yahoo!広告 |
---|---|---|
ターゲット層 | 幅広い層 | 中高年層 |
グローバル展開 | 可能 | 困難 |
機能 | 高度な機能が充実 | シンプルで使いやすい |
競合 | 多い | 少ない |
クリック単価 | 高い | 安い |
効果的なキーワード選定とターゲティング方法
リスティング広告で成果を上げるためには、効果的なキーワード選定とターゲティングが不可欠です。適切なキーワードを選定し、ターゲット層に広告を届けることで、広告費用の無駄を省き、高いコンバージョン率を実現できます。
では、実際にはどのようにすればいいのか?
その方法を次に記載します。
キーワード調査ツールを使う
まずは、キーワード調査ツールを活用しましょう。GoogleキーワードプランナーやYahoo!広告のキーワードツールなど、様々なツールがあります。
これらのツールを使って、検索ボリュームや競合性を分析し、自社の商品やサービスに最適なキーワードを選び出します。自分の思い込みでキーワードを決めるのは失敗の元になります。必ずキーワード調査ツールを使ってください。
また、キーワード選定においては、検索意図をしっかりと理解することが重要です。例えば「ダイエット」というキーワードは幅広いため、具体的な「糖質制限ダイエット方法」や「30代向けダイエットサプリ」といったキーワードに絞り込むことで、よりターゲット層に合致した広告配信が可能になります。
検索ボリュームと競合性の分析を行う
キーワードを選定する際には、検索ボリュームと競合性を分析することが非常に重要です。
検索ボリュームが多いキーワードは多くのユーザーに広告を表示できますが、競合も多いため、入札単価が高くなる傾向があります。
一方、検索ボリュームが少ないキーワードは競合が少ないため、入札単価を抑えられますが、広告が表示される機会が少なくなります。
最適なキーワードは、検索ボリュームと競合性のバランスを考慮して決定する必要があります。例えば、競合の少ないニッチなキーワードを組み合わせることで、効率的な広告運用を実現できる場合があります。
適切なターゲティング設定(地域、デバイス、時間帯など)の方法
ターゲティングとは、広告を表示する対象を絞り込むことを指します。リスティング広告の管理画面では、ターゲティングの設定をすることができます。
地域、デバイス、時間帯、年齢、性別、興味関心など、様々な項目でターゲティング設定を行うことでより効果的に広告を配信できます。
例えば、地域ターゲティングでは、自社のサービスを提供している地域に広告を集中させることで、無駄な広告費用を抑えられます。
デバイスターゲティングでは、パソコンやスマートフォンなど、ユーザーが使っているデバイスに合わせて広告クリエイティブを変更することで、より高いエンゲージメントを実現することが期待できます。
時間帯ターゲティングでは、ユーザーが商品やサービスを検索する時間帯に広告を表示することで、コンバージョン率を向上させることができます。さらに、年齢や性別、興味関心といった属性情報を使ったターゲティングも効果的です。これらの設定を適切に行うことで、予算を有効活用し、高い成果を上げることが期待できます。
魅力的な広告コピーと訴求ポイント
魅力的な広告コピーと訴求ポイントは、リスティング広告の成功に欠かせません。ユーザーの目を惹きつけ、クリックを促すためには、ターゲット層のニーズを的確に捉えた、効果的なメッセージを伝える必要があります。ここでは、広告タイトルと説明文の書き方、高品質な画像や動画の活用、そしてA/Bテストによる改善について解説します。
広告タイトルと説明文の書き方
広告タイトルは、ユーザーの検索クエリに関連性の高いキーワードを含めつつ、簡潔でインパクトのある表現にすることが大切です。説明文では、具体的なメリットや特徴を伝え、ユーザーの購買意欲を高めるように心がけましょう。例えば、「〇〇で解決!簡単操作で売上アップ!」のような、ユーザーの課題解決に繋がるメッセージが効果的です。
A/Bテストによる改善
効果的な広告コピーと訴求ポイントを見つけるためには、A/Bテストが不可欠です。
複数の広告バリエーションを作成し、クリック率やコンバージョン率を比較することで、最適な広告クリエイティブを特定できます。
継続的なテストと改善によって、広告効果を最大化しましょう。様々なバリエーションを作成し、ユーザーの反応を分析することで、より効果的な広告を作成することが可能です。
リスティング広告で失敗する方は、例外なくこのA/Bテストを行っていません。A/Bテストを行わないでリスティング広告の成功はないと考えてください。
費用対効果の高い広告運用
リスティング広告で費用対効果を最大化するには、戦略的な運用が不可欠です。単に広告を出稿するだけでなく、綿密な計画と継続的な改善が重要になります。ここでは、費用対効果を高めるための具体的な戦略と、効果測定・分析について解説します。
入札戦略と予算管理
効果的な入札戦略と予算配分は、費用対効果に直結します。目標に合わせて最適な入札方法を選択し、予算を効果的に配分しましょう。
自動入札と手動入札、それぞれにメリット・デメリットがありますので、状況に応じて使い分けることが重要です。
- 自動入札:システムが自動で最適な入札価格を決定します。時間節約にはなりますが、細かい制御が難しい点がデメリットです。
- 手動入札:自分で入札価格を設定します。柔軟な制御が可能ですが、時間と労力がかかります。
- 予算配分:キャンペーンや広告グループごとに予算を配分します。成果の高いキーワードや広告に予算を集中させることで、費用対効果を高められます。
コンバージョン追跡と分析
コンバージョン(成果)を正確に追跡し、分析することで、どのキーワードや広告が効果的かを把握できます。Googleアナリティクスや広告プラットフォームの分析機能を活用し、データに基づいて改善を繰り返しましょう。効果測定には、コンバージョンタグの設置が不可欠です。
- コンバージョンタグ:ウェブサイトに設置するタグで、ユーザーの行動(購入、問い合わせなど)をトラッキングします。
- 分析指標:クリック率(CTR)、コンバージョン率、費用対効果(CPA)などを分析し、改善点を見つけます。
- A/Bテスト:異なる広告クリエイティブやキーワードでテストを行い、効果が高いものを選定します。
リスティング広告の費用と成果の測定
費用対効果を正しく測定するには、広告費用とコンバージョンの数を比較する必要があります。
指標として、CPA(顧客獲得費用)やROAS(広告費用対効果)などが用いられます。
これらを定期的にモニタリングし、改善を繰り返すことで、費用対効果を高めることができます。
- CPA:1件のコンバージョンを獲得するのにかかった費用
- ROAS:広告費用に対する収益の割合
費用対効果の高い広告運用は、地道な努力の積み重ねです。データ分析に基づいたPDCAサイクルを回し、継続的に改善していくことで、広告費用の無駄を省き、ビジネスの成長に貢献できます。 常に最新の情報をキャッチアップし、新しい技術や戦略を積極的に取り入れることも重要です。
リスティング広告運用の注意点
リスティング広告で成功を収めるためには、広告掲載基準への準拠、不正クリック対策、そして、発生しやすい問題への対処法を理解しておくことが不可欠です。
広告掲載基準とポリシー
各広告プラットフォーム(Google広告、Yahoo!広告など)には、広告掲載に関する基準とポリシーが定められています。これらのポリシーに違反した広告は掲載拒否されるか、アカウント停止になる可能性があります。
広告を作成する際には、必ず各プラットフォームのポリシーを確認し、遵守するようにしましょう。具体的には、禁則事項に該当する表現を使用していないか、ターゲティング設定が適切かなどを注意深く確認することが重要です。また、定期的にポリシーの変更がないか確認することも大切です。
不正クリック対策
リスティング広告では、意図的な不正クリックによって広告費用が無駄に増加する可能性があります。
不正クリックは、競合他社によるものや、自動クリックプログラムによるものなど、様々な原因が考えられます。
不正クリックを防止するために、IPアドレス制限や、不正クリックと疑われるクリックを検知してブロックする機能などを活用しましょう。また、広告の掲載位置やターゲティング設定を見直すことで、不正クリックのリスクを低減できます。
効果測定においても、クリック数だけでなく、コンバージョン数やコンバージョン率なども同時に確認することで、不正クリックの影響を最小限に抑えることができます。
よくある問題と解決策
リスティング広告運用では、様々な問題が発生する可能性があります。
例えば、クリック数は多いのにコンバージョンが少ない、費用対効果が悪い、広告が掲載されないなどです。
これらの問題に対しては、原因を分析し、適切な解決策を講じる必要があります。具体的な解決策としては、キーワードの選定を見直す、広告コピーを改善する、ターゲティング設定を調整する、入札戦略を変更するなどがあります。
また、Google広告やYahoo!広告などのプラットフォームが提供するレポート機能を活用し、データに基づいた改善を行うことが重要です。問題解決のプロセスは、問題の特定、原因の究明、対策の実施、効果測定というステップで行うことが推奨されます。そして、継続的な改善を繰り返すことで、最適な広告運用を実現できます。
リスティング広告運用は、適切な知識と継続的な改善を繰り返すことで、ビジネスの成長に大きく貢献します。
注意点を理解し、トラブルシューティングに備えることで、費用対効果の高い広告運用を実現し、目標の達成に近づきましょう。